お薬以外の対策には、環境の改善や、行動の工夫など自分でできる「セルフケア」があります。
頭痛により日常生活に支障のある方は、病院を受診した上で、セルフケアも上手に取り入れ対処するのが良いでしょう。
片頭痛が起きているときのセルフケア
片頭痛が起きているときには、以下のようなセルフケアが有効な場合があります。
暗い静かな部屋で横になる、痛むところを冷やす
光・音・においなどの刺激や、動き回ることなど、片頭痛を悪化させる要因を避け、暗く静かな部屋で横になりましょう。また痛むところを冷やすと、痛みが和らぐ場合があります。
睡眠をとる
ひと眠りすることで痛みが楽になることがあります。
コーヒーや紅茶を飲む
コーヒーや紅茶に含まれるカフェインの作用で、痛みが和らぐことがあります。ただし、習慣的に飲み過ぎていると、飲んでいないときに頭痛を起こすことがあり注意が必要です。
頭痛を起こさないようにするためのセルフケア
頭痛を起こさないようにするためのセルフケアには、睡眠、食事習慣、生活環境の改善、頭痛体操などがあります。
睡眠
寝すぎ、寝不足はどちらも頭痛が始まるきっかけになる場合があるため、毎日規則正しい睡眠パターンで生活することが重要です。もし休日にゆっくり寝ていて頭痛が起きるようであれば、休前日の夜更かしを避け起床時間を普段と同じにして、生活のリズムを整えてみると良いでしょう。
食事習慣の改善
片頭痛は空腹時や脱水時に起こりやすいことが知られています。例えば、朝食を抜くことで頭痛が起こる場合もあるので、規則正しい食生活を心掛けこまめな水分補給を行い、空腹や脱水にならないように気を付けましょう。
生活環境の改善
ストレス、明るすぎる照明、パソコンやスマートフォンからのブルーライト、大きな音、香水や洗剤などの人工的なにおい、気温の大幅な変化など、頭痛が始まるきっかけとなるような刺激は、日常の生活でなるべく避けるようにしましょう。
頭痛体操
1日2分の頭痛体操をしてみましょう。頭と首を支えている筋肉をストレッチすることで、筋肉のこりや疲れをとり頭痛の頻度を減らせることが知られています。頭痛体操は、日本頭痛学会のホームページでも紹介されており1)、理学療法として取り入れている病院もあります。
正面を向き、頭は動かさず、両肩を大きく回し、頭と首を支えている筋肉をストレッチする。
椅子に座って行う場合も同様に、頭を正面に向けたまま左右の肩を交互に前に突き出すようにして回転させる。
頭痛体操に限らず、適度な運動は頭痛を起こしにくくするといわれており、頭痛のないときに日常的に体を動かすこともおすすめです。
出典
- 1)日本頭痛学会 https://www.jhsnet.net/ippan_zutu_know.html (2021年3月現在)