予防療法の目的は、頭痛の回数、重症度、持続時間を軽減し、頭痛が起きたときに使用するお薬の効果を高め、頭痛による日常生活への支障を減らすことです。
予防療法は、急性期治療だけでは日常生活に支障がある方や、急性期治療薬が使えない方などに行います。また、片頭痛が月に2回以上、あるいは生活に支障をきたす頭痛が月に3日以上ある方にも、予防療法が検討されます1)。
予防療法のお薬
片頭痛の予防療法のお薬には、毎日服用する飲み薬と、定期的(月1回など)に皮下に注射するお薬があります。予防療法の効果を判断するには少なくとも2ヵ月ほど必要です。そのため、医師と相談しながら治療を継続することが大切です。
これらの薬を使っている場合でも、頭痛が起きたときには急性期治療薬を服用します。
CGRP関連抗体薬について
2021年に予防療法に使われる注射薬の「CGRP※関連抗体薬」が登場しました。この薬は、片頭痛に関係しているCGRPと呼ばれる物質と結合し、その働きを抑えることで、痛みを起こさないようにすると考えられています。
※CGRP(シージーアールピー):カルシトニン遺伝子関連ペプチド
抗CGRP抗体薬の働き
出典
- 1)監修/日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会. 編集/「頭痛の診療ガイドライン」作成委員会. 頭痛の診療ガイドライン2021. 医学書院;2021.