予防療法(頭痛を起こしにくくするお薬による治療)

予防療法の目的1)

  • 頭痛の回数、重症度、持続時間の軽減
  • 頭痛が起きたときに使用するお薬の効果を高める
  • 頭痛による日常生活への支障を減らす

予防療法が必要な方1)

  • 急性期治療だけでは日常生活に支障がある方
  • 急性期治療薬が使えない方
  • 片頭痛が月に2回以上、あるいは生活に支障をきたす頭痛が月に3日以上ある方
  • 急性期治療薬を使いすぎている方

予防療法のお薬

片頭痛の予防療法のお薬は、薬局などでは購入できず、病院で処方される「処方薬」のみです。毎日服用する飲み薬と、定期的(1ヵ月または3ヵ月に1回)に皮下に注射するお薬があります。予防療法の効果を判断するには少なくとも2ヵ月ほど必要です。そのため、医師と相談しながら治療を継続することが大切です。

これらのお薬を使っている場合でも、頭痛が起きたときには急性期治療薬を服用します。

※1 抗てんかん薬、β遮断薬、抗うつ薬、カルシウム拮抗薬 など

※2 CGRP※3関連抗体薬(病院での注射、または在宅自己注射が選べます)

※3 CGRP(シージーアールピー):カルシトニン遺伝子関連ペプチド

CGRP関連抗体薬について

2021年に予防療法に使われる注射薬の「CGRP関連抗体薬」が登場しました。このお薬は、片頭痛に関係しているCGRPと呼ばれる物質と結合し、その働きを抑えることで、痛みを起こさないようにすると考えられています。

抗CGRP抗体薬の働き

出典

  • 1)監修/日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会. 編集/「頭痛の診療ガイドライン」作成委員会. 頭痛の診療ガイドライン2021. 医学書院;2021.